前回で Python 開発環境のインストールができたので、次は Python の基本的な使い方・文法などを確認します.詳細については
Python 公式ドキュメントですべて公開されていますが、ここでは基本的な使い方に絞って確認することにします.
Python インタプリタ
Python コマンドを引数なしで実行することで Python インタプリタ(インタラクティブシェル)が起動します.この状態では、下記のようにプロンプトに続けて Python のコードを入力することで対話的に実行結果が表示されます.簡単な計算や、新しい機能を使うときの確認などに役立ちます.
Python スクリプトファイルの実行
Python プログラムをファイルとして保存し、そのファイル名を引数として Python コマンドを起動することでプログラムを実行する方法です.Python のスクリプトファイルは .py という拡張子のファイルとして保存します.
Python プログラムの基本
ここからは、Python で扱えるデータや制御の文法等についてみていきます.
数値型と演算
Python における数値型には、整数(int)・浮動小数点数(float)・複素数(complex)の3種類があります.
数値がどの型であるかは Python の組み込み関数 type() で調べることができます.
>>> type(100)
<class 'int'>
>>> type(1e10)
<class 'float'>
>>> type(0xff)
<class 'int'>
>>> type(6+9j)
<class 'complex'>
- 整数型
整数型(int型)は小数点なしの数であり、精度の制限はありません.通常の10進数のほか、2進・16進・8進表現が可能です.
- 2進数は数の先頭に “0b” を置き、その後に “0” または “1” の数値で表現
- 16進数は数の先頭に “0x” を置き、その後に “0” ~ “9” および “A(a)” ~ “F(f)” の数値で表現
- 8進数は数の先頭に “0o” を置き、その後に “0” ~ “7” の数値で表現
- 浮動小数点型
浮動小数点型(float型)は小数点を含んだ数値型です.指数表記を使って表すことも可能です.
- 複素数型
複素数型(complex型)は実部と虚部を含んだ複素数を表現し、虚数は “j” または “J” で表します.複素数 z から実部および虚部を取り出すには、 z.real および z.imag を使用します.
Python における数値演算は以下のようなものが利用できます(演算対象数値の型によって利用できない演算もあります.)
| 演算 | 結果 |
| x + y | x と y の和 |
| x - y | x と y の差 |
| x * y | x と y の積 |
| x / y | x と y の商 |
| x // y | x と y の商を切り下げたもの |
| x % y | x / y の剰余 |
| -x | x の符号反転 |
| +x | そのまま |
| abs(x) | x の絶対値または大きさ |
| int(x) | 整数への変換 |
| float(x) | 浮動小数点数への変換 |
| complex(x) | 複素数への変換 |
| c.conjugate() | 複素数 c の共役複素数 |
| divmod(x, y) | (x // y, x % y) からなるペア |
| pow(x, y) | x の y 乗 |
| x ** y | x の y 乗 |
文字列
Python で文字列を記述するには、単引用符 (‘…’) で囲むか、もしくは二重引用符 (“…”) で囲みます.引用符は、”¥” でエスケープできます.
– 文字列は、”+” を使って連結したり、 “*” を使って反復することができます.
– インデックス(添字)を使って指定した文字を取得することができます.
– 組み込み関数 “len()” を使って文字列の長さを取得することができます.
>>> s = 'Hello'
>>> t = 'Python'
>>>
>>> str = s + t
>>> str
'HelloPython'
>>>
>>> str[1]
'e'
>>>
>>> len(str)
11
>>>