EZ-USB FX3 はじめました 【1】

USB3.0 についてちょっと勉強してみたくなり、適当な評価ボードを探していたところ Cypress の EZ-USB FX3 評価ボードを見つけました.価格も $49 とお手軽でしたので、さっそく入手してみました.
キットの内容は、評価ボード本体のほか、USB 3.0 対応ケーブル、Getting Started の簡単なマニュアルが同梱されています.
EZ-USB FX3

1. 開発環境のインストール

まずは必要な開発環境・ツールのセットアップから行ないます.Cypress の下記サイトからパッケージ “SuperSpeedExplorerKitSetup_RevSS.exe” をダウンロードして実行すると、PC 内に必要なツールがインストールされます.ファームウェアのサンプルや、ドキュメントの類も一緒にコピーされています.
私の環境では、後で使う ezUsbSuite というツールが起動しなかったので、下記サイトより最新版 SDK をダウンロードしインストールしました.

2. ジャンパ設定の確認をして USB 接続

基板上のジャンパ設定を確認します.J2 と J3 がショート,J4, J5 はオープンとなっていることを確認し,キット付属の USB ケーブルでホスト PC と接続します.
これらのジャンパの機能は以下のようになっています.

J2I/O 電圧の設定.ショート時 3.3[V]、オープンでは 1.8[V] になります.
J3USB 3.0 コネクタの VBUS ラインに入っているジャンパ.ショートしておくことでボードはバスパワーで動作します.
J4ブートモードの選択用.ショート時はボード上の EEPROM からファームウェアを RAM 上にコピーして起動、オープン時は USB ブートモードとなり、USB から RAM にファームウェアをコピーしてブートします.
J5ボード上の外部 SRAM 有効化用ジャンパ.ショートすることで SRAM が使えるようになります.

無事 PC 側にボードが認識されればボード上の LED2(青)が点滅または点灯します.ボードが USB 3.0 のホスト ポートに接続されている場合には点滅し、USB 2.0 のホスト ポートに接続されている場合には点灯となります.
Windows のデバイスマネージャを確認すると、このボードが “Cypress FX3 USB StreamerExample Device” として認識されているのが分かります.
基板が認識されない(LED も点灯しない)場合は、デバイスマネージャ経由でドライバを手動で認識させます.ドライバは上記ツールのインストール後であれば インストール先フォルダ以下の \Cypress\SuperSpeedExplorerKit\1.0\Driver\bin にコピーされていますのでこれを指定してインストールします.インストール後、再度 USB ケーブルを抜き差しして認識することを確認します.

3. USB Control Center

\Cypress\EZ-USB FX3 SDK\1.3\bin から、USB Control Center(CyControl.exe)を起動します.このツールで、ビルドしたファームウェアのボードへの書き込み、テータ転送の確認等々ができます.ボードを接続した状態であれば、下のようにディスクリプタ情報の詳細が確認できます.

4.  Streamer アプリでデータ転送確認

PC にボードが認識された状態で、Streamer アプリ(\Cypress\EZ-USB FX3 SDK\1.3\application\cpp\streamer\x86\Release)を起動します.
Packets per Xfer を 256 に、 Xfers to Queue を 64 として Start を押すと、PC – ボード間でのバルク転送が開始され、このときのビットレートが表示されます.私の環境では USB3.0 ポートで約 424[MB/s] ほど出ることが確認できました. 以上で、まずは動作確認ができましたので、次回以降は USB Control Center を使ってファームウェアの書き換えなどを行ってみます.

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