キットの内容は、評価ボード本体のほか、USB 3.0 対応ケーブル、Getting Started の簡単なマニュアルが同梱されています.
1. 開発環境のインストール
まずは必要な開発環境・ツールのセットアップから行ないます.Cypress の下記サイトからパッケージ “SuperSpeedExplorerKitSetup_RevSS.exe” をダウンロードして実行すると、PC 内に必要なツールがインストールされます.ファームウェアのサンプルや、ドキュメントの類も一緒にコピーされています.私の環境では、後で使う ezUsbSuite というツールが起動しなかったので、下記サイトより最新版 SDK をダウンロードしインストールしました.
2. ジャンパ設定の確認をして USB 接続
基板上のジャンパ設定を確認します.J2 と J3 がショート,J4, J5 はオープンとなっていることを確認し,キット付属の USB ケーブルでホスト PC と接続します.これらのジャンパの機能は以下のようになっています.
J2 | I/O 電圧の設定.ショート時 3.3[V]、オープンでは 1.8[V] になります. |
J3 | USB 3.0 コネクタの VBUS ラインに入っているジャンパ.ショートしておくことでボードはバスパワーで動作します. |
J4 | ブートモードの選択用.ショート時はボード上の EEPROM からファームウェアを RAM 上にコピーして起動、オープン時は USB ブートモードとなり、USB から RAM にファームウェアをコピーしてブートします. |
J5 | ボード上の外部 SRAM 有効化用ジャンパ.ショートすることで SRAM が使えるようになります. |
Windows のデバイスマネージャを確認すると、このボードが “Cypress FX3 USB StreamerExample Device” として認識されているのが分かります.
基板が認識されない(LED も点灯しない)場合は、デバイスマネージャ経由でドライバを手動で認識させます.ドライバは上記ツールのインストール後であれば インストール先フォルダ以下の \Cypress\SuperSpeedExplorerKit\1.0\Driver\bin にコピーされていますのでこれを指定してインストールします.インストール後、再度 USB ケーブルを抜き差しして認識することを確認します.
3. USB Control Center
\Cypress\EZ-USB FX3 SDK\1.3\bin から、USB Control Center(CyControl.exe)を起動します.このツールで、ビルドしたファームウェアのボードへの書き込み、テータ転送の確認等々ができます.ボードを接続した状態であれば、下のようにディスクリプタ情報の詳細が確認できます.4. Streamer アプリでデータ転送確認
PC にボードが認識された状態で、Streamer アプリ(\Cypress\EZ-USB FX3 SDK\1.3\application\cpp\streamer\x86\Release)を起動します.Packets per Xfer を 256 に、 Xfers to Queue を 64 として Start を押すと、PC – ボード間でのバルク転送が開始され、このときのビットレートが表示されます.私の環境では USB3.0 ポートで約 424[MB/s] ほど出ることが確認できました. 以上で、まずは動作確認ができましたので、次回以降は USB Control Center を使ってファームウェアの書き換えなどを行ってみます.